わたしを離さないで Never Let Me Go
映画と書籍と文化
2011年1月23日
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昨日のカナダ出張では行き帰りの飛行機で相当映画を観ることができましたが、一番衝撃を受けたのが「わたしを離さないで(Never Let Me Go) 」です。正直、観たい映画は観尽くしたため暇つぶしで最後の一本として観たのですが、作品世界といい俳優といい何より映画から醸しだされる「幽玄」な雰囲気に圧倒されました。
この映画を観てネットで探したみたこの時まで
原作 はおろか作者の
カズオ・イシグロ なる人物も知りませんでしたが、この映画は久々に衝撃的な感慨というか観終わった後の余韻を感じた作品でした。映画紹介のテロップを観た限りでは在り来たりの恋愛ものかと思い込んでみてみましたが、映画世界の設定が大好きなSFと思いきや、観終わった後は言い表せない寂寥感と共に人の「生きる」意味や社会の理不尽さと何時でも人間性など凌駕しえる可能性がある人が作る社会システムへの警鐘など、様々なテーマを内包している作品でした。
作品内容や世界については、
Amazon書評 の(有用性がある方)コメントが適切で映画の感想も自分はほぼ同じに感じます。
俳優は
キャリー・マリガン や
アンドリュー・ガーフィールド といった若手実力派?とのことで、世界観にあった配役でしたが、この二人、同じカナダ行きで何度も観た「
ウォールストリート 」と「
ソーシャル・ネットワーク 」にそれぞれ主要な配役で出演していました。俳優も世代交代して自分が知っていた俳優から代替わりしてしまったのかと少し歳を感じなくもなかったですが。特にキャリーマリガンの方は個性的で、雰囲気が独特で世界観を出せる女優に感じます。今後も楽しみです。
しかし、この映画はどうやら日本ではまだ公開されていない(2011年春予定)ようで、日本語字幕付きで見れたのはラッキーでした。ただカタールエアーでしたので、少なからずカットや修正されている可能性が大なので、是非公開後にビデオにてまた観てみたいです。ともかくも早速原作をAmazonで注文したので、読むのが楽しみです。
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