フランスの海底原発フレックスブルー
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未だに安定化の見通しが経たない福島原発事故ですが、今日の時事通信に「想定越え」津波は想定せずという漫才みたいな言い訳の記事がありました。まだ現場が収束していない中で、事故の原因究明は時期尚早ですが、少なくても津波で冷却系のシステムが全てダメになったことが、原発事故の引き金になったのは間違いないようです。設備エンジニアの端くれである自分から見ても、水を被っただけでダメになる電気系統他のグレードには、純粋に疑問を感じざるを得ません。確かにここ数年は耐震、制震、免震などの建物に対する技術は脚光を浴び、住宅にも普及し始めるなど技術革新が目覚ましい分野ですが、設備の耐震技術やグレード、標準化などはお粗末と言わざるを得ません。
この設備システムの耐震化の件はまた別途、述べるとして、今回の件で随分前に話題になったフランスで開発計画がある
海底原発(フレックスブルー)の記事を思い浮かばざるを得ませんでした。
フランスといえば発電電力の8割(77%)が原子力である原発大国であり、電気輸出国で近隣のドイツなどにも電力を輸出している程なので、海底に原発をつくるのも抵抗感がないのでしょうか。ただし、ここで思ったのは要は海底に沈めても(平時は)大丈夫な仕様の原発が考えられているのですから、この仕様であれば当然、今回の津波など間違いなくなんてことはなかったでしょう。地震に対する運転停止などの技術は、一定の評価は得ていたのですからこれに対津波対策として海中に沈めても問題くらいの仕様を満たせば、現状想定し得る天災に対する危機対応は可能かも知れません。(もちろん他の危機は沢山ありますが)
実際にはこの方の記事を読むと分かるのですが、この海中原発フレックスブルーの
開発会社は軍艦を製造している会社とのことで、コンセプトはまさに原子力潜水艦そのものです。陸上に建設する原発よりはるかに安いコストと、移動式?であるためにテロや事故に対するリスクも少ないとされています。当然、万が一海中で起きた時の事故のリスクは、正直想像を超えているので評価できませんが、海中に沈めても大丈夫なグレードの仕様は、津波対策の参考にならないかなと考えてしまいました。
今回の震災では「想定外」や「想定越え」といった枕詞が付いた政府発表を沢山聞きましたが、本来の国家・政府の役割は最悪の事態を想定することにあるのを忘れて欲しくはありません。しかし、原籍がコンセプトとはいえ海中に原発を作ってしまう想像力というか行動力にも呆れてしまいますが。移動式のようなので、定期的に移動させればある意味、固定された陸上式より不公平感が無くなるし、近隣対策も不要なのでそのコストも浮くのでしょうか。。。海中で一つながりになっている他国への配慮や保証は一体どうなるのでしょうかね。。。
・この網は保護?のためでしょうか?間違えてぶつかったり近づくリスクもあるでしょうに。。。
・こんな3Dの断面図もありました。これだけ見ると冷却系もなくシンプルですね。
・(動画)これが開発会社のプロモーションビデオのようです。設置、移動が簡単なのは分かりますが、海中を送電する技術はこのビデオにあるほど単純ではない気もしますが。サブマリンケーブルの接続やメンテと、都市への送電距離など課題もあると思われます。
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