Thu
08
Jan
2015
著者の佐藤勝彦さんの書籍は何度か読んだ記憶がありますが、著作の中でも代表的と言える本書「眠れなくなる宇宙のはなし」を読んでみました。何冊か読んだ宇宙論のなかでも、佐藤さん著作の本はほんとに分かり易いです。ともすれば身近でない生活に関係のない宇宙論しいては天文学の意義について、一般の人にも分かり易く解説している姿勢は、好感を通り越してなんだか申し訳ない限りです。たまに言及されている(道楽に見えてしまう!?)生活に関係のない天文学につぎ込まれる税金についても、身近な例で活用されている成果などの話は、非常に参考になります。
何より、何故、人はそもそも宇宙(天文学)に興味を持つのか?その根源的な問いに関して、天文学の歴史に絡めて非常に分かり易く解説されているのが本書と言えます。
確かに一見すれば、私のようなSFファンなどでない方から見れば、宇宙論などは道楽にしか見えない方もいるでしょうし、ましては天文学の研究や巨大な望遠鏡などに莫大な税金がつぎ込まれている論理的な答えも無いのかも知れません。しかしながら、それでも歩みは遅いとはいえ、人類は宇宙進出を目指していますし、長い年月の末には宇宙の謎も解けるのかも知れませんし。。。
しかし、いつも思うのですが、三次元の空間認識しかできない我々に宇宙の多次元や、そのまた宇宙の成り立ちという話をされると、禅問答にならざるを得ないのですが、それを学問として論理的に解明しようという物理学には本当に頭が下がります。
この分野の研究は生活に直結していないように見えて、実は物凄い応用されているようですし(量子コンピューターなど)、近い将来に生活そのものを変えてしまうインパクトがあるとも思われます。何より一昔前まで、宇宙の存在を考えると本当に神頼み!?の結論で終わっていたものが、ここまで科学で説明できるようになったのかと思うと感慨深いものがあります。あとはそれらが実証できる日が来ればよいのでしょうが、そもそも現代のように宇宙が観測できる時代(といってもこれも何十億年スケールの話のようですが)が宇宙の歴史の中で今だけだという話も本当に気が遠くなります。
ということで、引き続き著者の本である「気が遠くなる未来の宇宙のはなし」でも読んで、気が遠くなる思いを味わってみようかと思います。
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