Tue
27
Oct
2015
先日のYahoo Japanのトップニュースにも出ていましたが、日本人建築家夫婦も参加しているチームがNASAの火星基地コンペに優勝したというニュースの続報です。日刊建設業新聞に詳細が出ておりましたが、優勝したこのMARS ICE HOUSE(火星の氷の家)のコンセプトが素晴らしいです。記事の抜粋になりますが、「「火星の氷の家」は、氷の外壁で施設を覆うという独創性が最大の特徴。氷の特性を生かして宇宙放射線を防ぐことができる上、太陽光を内部にまで届けられるので長期滞在するクルーの健康管理にも役立つとされる。」とあります。バブル期などにあった完全にコンセプトだけで、実現可能かどうかはさておきの箱モノ宇宙基地コンペ提案とは異なり、本当に今ある技術の延長で実現ができそうな検証がきちんとされているところが、夢だけではない期待を大きく膨らませてくれます。
実際に今回のコンペの趣旨もNASAが来るべき有人火星探査に備えて、技術的な提案のブレークスルーを広く民間からアイデアを募ることで実施していこうという試みの一環とのことです。この「火星の氷の家」ですが、専用WebサイトのBuilding on Marsのパラパラ画像を見ると全くもって荒唐無稽どころか、既に予定されているプロジェクトの計画書を眺めているような感覚になります(恐らくは数年後にはそうなる!?可能性があるでしょうけども)。建築業界が宇宙開発というと商業的に成り立たないですし、民間ゼネコンが宇宙で建造物を手掛けるなんて、遠い未来のSFの世界のことのようですが、こんな身近な手段で参画できる可能性があったのですね。記事によると引き続きNASAの方では、「NASAのプロジェクトが目指すのは火星に存在する材料を使って3Dプリンターで実物大模型を作ること。今後は製造技術と模型製作の2部門でそれぞれ賞金110万ドルを争うコンペを行う予定」だそうですので、非常に気になります。コンペの詳細はちょっと不明ですが、今回の受賞に触発されて、日本の企業や建築家が参加する契機になるかも知れません。
ちなみに曽根ご夫婦が所属されているClouds AOのWebサイトを見ると他にも宇宙開発関連で、夢あふれるというか大胆で壮大な提案を見ることができます。上記の記事でも触れていましたが、「すい星を利用して宇宙ステーションを惑星間移動させる「コメットランナー」、宇宙エレベーターの技術を応用した空中都市「サードスフィア」」のコンセプトページは、CGの効果も相まって、これだけでSF小説のネタになりそうなモチーフとなっています。個人的にはラピュタもどきの空中都市っぽい「CLOUD SKIPPERS」や幻想的な景観を醸し出す「DOUBLE MOON」がお勧めでしょうか。
この記事を読むまでは全く知りませんでしたが、最近読み始めた「宇宙兄弟」みたいな近未来SF漫画にあるような世界がすぐ身近に広がっているのだなと感じたニュースでした。
・本当に実現したら雄大な火星の大地に建つオアシスのような基地になりそうですね。
・お勧めのコンセプト「CLOUD SKIPPERS」のCGです!
・こちらは「DOUBLE MOON」です。建築物のようです。
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