Tue
11
Sep
2018
先に読了したブラインドサイトに引き続きSFです。サザーン・リーチというエリアXに関しての三部作ということで、これはその一作目の「全滅領域(原題:ANNIHILATION)」で、エリアXへ潜入する調査隊の話です。ジャンルはてっきりSFと思って買ったのですが、読んだ後の巻末の解説によると「ニュー・ウィアード(New Weird)」という新しいジャンルで、Weird自体の意味が載っていない英語辞書もあるのですが、「奇妙な」という意味のようです。そう言われてみるとハヤカワ文庫なのですが、水色の表紙のハヤカワSF文庫ではないところからも、SFとは一線を画す位置づけになっている感じです。確かに読後感はなんだかモヤモヤしてスッキリと謎が解けない感じの反面、最後まで引っ張る構成と独自の世界観は凄いものがあります。
主人公である生物学者の主観で語られる日誌を読んでいることが途中から分かるのですが、主人公が最後にどうなったのかはあくまで不明瞭なままで、イコール物語の世界観のキーでもあるエリアXと監視機構も正体不明のまま終わってしまいます。それでいて、全体として何かに対する不安感というか恐怖が貫かれており、SFと言うよりかは、未知へのホラーといった小説でしょうか。これがいわゆる「ニュー・ウィアード」なるジャンルなのかも知れません。
もちろん!三作全部購入済みなので、引き続き次作の「監視機構」を読みたいと思いますが、このサザーン・リーチシリーズですが、邦題は「全滅領域」「監視機構」「世界受容」となっており、それぞれ原題のANNIHILATION,AUTHORITY,ACCEPTANCEに対応しており、原題がAから始まる単語でまとめているのに対して邦題は4文字単語?で対応させたあたりはなんか頑張っている感じがしました。
このサザーン・リーチですが、帯にも映画化決定とあり実際に映画が作られたのかというと、なんとあの人間を騙すAIの話であるエクス・マキナの監督であるアレックス・ガーランドが監督だとのことです。ちなみにこのアレックス・ガーランド監督ですが、今知ったのですがちょっとリアルなゾンビ映画である「28日後…」と「わたしを離さないで」の脚本も手掛けていたのですね。どれも好きな映画ですので、ぜひ「アナイアレイション 全滅領域」も観たいのですが(主人公の生物学者役はなんとナタリーポートマンですし)マレーシアでは公開するのかもうしてしまったのか、よく分かりません。。。下の予告の映像だけ観ても、よくこの文章でしか表現できなさそうな世界観を映像化しているなーと、監督の異才振り!が改めて際立っているかと思います。引き続き2作目以降も映画化されるのでしょうか!?楽しみです!
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