Mon
25
Oct
2021
先日に読了した「時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス)」と同じ著者の高水祐一先生の著作ということで、楽しみに読んでみました。設定が銀河系の宇宙人同士の社交場を舞台ということで、SFチックではあるものの、内容は至ってまじめな物理学の初級本ではあります。書籍の内容自体は、今まで読んできた物理学の入門書を改めておさらいしつつも、前述した銀河系の社交場を舞台に宇宙人から主人公の地球人(といっても至って一般人に近い設定なのですが)が様々な質問を受けながら、四苦八苦して回答していくというストーリー仕立てを交えながらなので、物語風にも読めて飽きさせません。
何だかこんな設定にまで思考を巡らして分かりやすい書籍を書いていただいて、申し訳ない感じでもあるのですが、意外にこんなストーリーが好きなのかもしれません。特に主人公が未開の文明の探索に参加したり、同じく参加した地球の科学者が脱走してみたりと、何とも話の広がりがあって、楽しく読み進めることができます。前回読ませていただいた「時間は逆戻りするのか」と同様に分かりやすい構成と内容は、本当に助かります。
それでも最後から2番目の章では、有名な「ドレイクの方程式」に当てはめて本書のような宇宙人との交流が出来る可能性も論じられていますが、今の我々が分かっている物理学の範疇では、やはり気の遠くなるような宇宙の広さが時間的にも距離的にも我々を孤独にしているのが真実なのではと思ってしまいます。まあそれもこれも今わかっている範疇でということであれば、やはりSFのような時空を超える手段が手に入る時代がいつかは来るだろうと思うしかないのかも知れません。
まだまだ宇宙に比べれば狭すぎる太陽系ですら開拓できていない人類には、この先のステップは途方もない時間が掛かるのと同時に同じだけ可能性が広がっているとも言えると思います。本書のような宇宙人との社交場が出来る未来もあながち夢物語ではないと信じて、次の著作を楽しみにしてみたいと思います!
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