Sat
12
Nov
2022
アマゾンのKindleで読み進めていたのですが、購入履歴を確認すると今年の7月2日に第一巻を購入して、週末の楽しみ!?で読み進めていたのですが、とうとう最新刊である41巻に追いついてしまいました。自分自身の実際のラウンドは、今年最初のラウンドで人生最初のギックリ腰を経験してしまってから全然だった今シーズンのゴルフでしたが、ゴルフ漫画の方は楽しく読ませていただき、充実した!シーズンでした。漫画が掲載されている「週刊ゴルフダイジェスト」はさっぱり手に取ったこともないのですが、何とこの「オーイ! とんぼ」は週刊連載とのことで、テンポよく物語が進んでいきます。
ゴルフ漫画というと小さい頃に流行った「プロゴルファー猿」のイメージが強く、破天荒な主人公が現実離れした奇想天外な技を繰り出すというエンターテインメントなのですが、最近のゴルフ漫画はもちろんそこまでのハチャメチャさはなく、この「オーイ! とんぼ」も現代のゴルフ環境に沿った世界観に主人公のとんぼという型破りのゴルフスタイルのプレーヤーという展開で進んでいきます。主人公のとんぼは最新刊では女子高生で才能のあるゴルファーということでは、今時のヒロインかという設定ですが、まあ普通の素直な島で育った女子高生といった風情で、ずば抜けて天才とか美貌があるとかいう設定ではありません。この漫画の飽きずに読ませるところは、やっぱりキャディーのイガイガこと五十嵐をはじめとする登場してくる主人公以外の脇役の人物像とドラマにあるのかと思います。ゴルフ漫画にありがちと言えばそうなのかも知れませんが、脇役の登場人物それぞれにゴルフをしている人生観や家庭の事情があり、それが丁寧に描かれています。そしてそんな脇役達は決してずば抜けた才能がある訳でもなく、普通の主婦だったり学生だったりと親近感もあり、むしろこれらの脇役達の誰かに必ず感情移入できる人物がいるのではといった感じでしょうか。
最初の主人公のとんぼが育った島から出るまでの数巻だけでも、島から出ることを決意するに至る「つぶら」との出会いや「クタさん」の含蓄ある言葉、「世間を知って島に住むことを選んだ」クタさんと「世間を知らずに島に住み続けたい」というとんぼとの会話の対比など、最初の島だけのエピソードだけでも面白い漫画です。そして、島から出たとんぼの世界観が広がっていく過程は、読みながら本当に一緒にワクワクする気持ちがしてきて、何とも気持ちが洗われます。
主人公の対戦対手の外国のジュニア選手を始め、ナショナルチームのコーチに至るまで本当に「こよなくゴルフを愛する」人たちで構成されている各エピソードは読んでいて飽きませんし、実際にゴルフを通してそれぞれの人生を具現化させようとしているゴルフの楽しさの真髄!を表現しているのではと思います。そんな脇役達は決して美男美女でもなく小柄な選手やそれまでの人生に問題を抱えていた人などなど、本当に色々な普通の人達のエピソードでそこが読んでいて面白いのかと思います。ここら辺は「オーイ! とんぼ 第40巻 (ゴルフダイジェストコミックス)」のAmazonの書評にあった下の方の感想に全く同感です。
というところで、私もこの方と同じように引き続き楽しみに待っていますが、41巻でまだアマチュアでようやく国内プロツアーデビューというところなので、世界のメジャー大会のひのき舞台にとんぼが活躍する頃まで自分が(年齢的に)お付き合いできるのか若干不安な感じではあります。長寿漫画になりそうですが、全然間延び感もありませんし、何より毎回エピソードが面白く脇役の伏線も広がる一方ですので、末永く楽しみにしています。
ちなみにもう一つ実はこちらを先に読み始めたのですが、「バウンスバック(1) (週刊現代コミックス)」というゴルフ漫画(こちらも女子プロものです)も違う毛色ですが面白く楽しく読んでいます。主人公のひよこは駆け出しのプロで優勝経験なしというところから始まりますが、とんぼと同じく個性ある脇役陣がストーリーを厚くしている点では似ているでしょうか。
華麗なライバルになりそうなフレイザー絵理奈など、こちらの方がストーリーは王道!な感じですが、作者のこしのりょうさんの画力もあって、読んでいて飽きません。こちらの主人公のひよこにも早く世界のメジャーに旅立ってほしいと思います。
ということで、ゴルフ漫画も女子プロに軍配が上がっていますが、実際に国内男子ツアーは賞金も扱いも女子ツアーと比べると小さいので、何とか頑張ってほしいところです。
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