Sun
31
Mar
2024
ポーランドの連休(イースター)でしたので、ポーランド国内をドライブして行ける旅行先として、ワルシャワの先にあるルブリンに来てみました。昨日はヴロツワフからワルシャワを経由した車移動(約5時間)で終わってしまいましたが、今日は午前中から今回のメインの訪問先であるマイダネク強制収容所を訪れてみました。このマイダネク強制収容所は、ポーランドの中ではアウシュヴィッツより早く保存されたという収容所では一番古い博物館ということで、ホロコーストの記録をアウシュビッツ強制収容所と共に現代に伝える貴重な収容所の一つといえます。
収容所のある場所はルブリン市内の中心地から10分も離れていない場所にあり、このような街中に本当に収容所があったのかと疑うような近さですが、来てみると収容所のシンボルでもある巨大な石のモニュメントが見えてきます。今日はポーランドの祝日でもあり、カソリックの祭日でもあるイースターのため、残念ながら博物館の建物は閉まっていると言う事でしたが、主要な収容所のバラックなどは解放されており問題なく見学ができました。
収容所の敷地入口の門のそばにある駐車場から、博物館の前を通りモニュメントを見ながら歩いていくと、選別用の白い建物?がある野原の道を通り過ぎた先に、見学用のバスのロータリーと、そこから先に再現されたバラックの展示コーナーが続いています。
見学の施設の詳細はいつもお世話になっている下記のブログサイトに詳しいので、そちらを見ていただくこととして、やはり今回も抜けるような青空の色の下でこのような施設を見学していると、何十年か前に実際この場所で凄惨なホロコーストという近世最大の大罪とも言えることが行われたということが、にわかには信じられないと言う感じがします。
ただ再現されたバラックとその中の展示物、そして当時のガス室、敷地を歩いた先に焼却室を見学すると、やはりアウシュヴィッツ見学の時にも感じたように実際にこの場所に来て見てみることの大切さを実感します。やはり「見ると聞くとでは大違い」と言うのは同じ印象で、実際の強制収容所の跡地でいろいろな遺物や収容所の犠牲者の残した遺留品などを見ながら収容所の場所を歩くと、言いようのない歴史の重さを感じ得ません。
アウシュヴィッツと比べると施設の規模自体は小さいようですが、資料によると計画されていた収容所の規模は相当な大きさだったようです。アウシュヴィッツと同様に下記の公式サイトからメールで事前にガイドを申し込む事は可能ですが、今回はメールで事前に問い合わせたところ祝日なので、ガイドはお休みということでした。
ただ実際に廻ってみたところでは、ガイドさんがいなくても展示物や解説パネルの英語が充分に充実しており、アウシュビッツのようにどのバラックを見学したらよいか迷う程は大きくはないので、ガイドさんなしで自分で見学することで問題ないと思います。施設自体はアウシュビッツ同様に無料で解放されています。今回は博物館は見れませんでしたが、それでも敷地の端から端まで歩いて必要なバラックを見学すると、ゆうに3時間以上はかかってしまいます。
訪れる前はアウシュヴィッツ強制収容所の見学の時以上の感慨は沸くのかと思っておりましたが、当たり前のことですが、このような収容所は何度訪れても人類の教訓の場所として無駄になる事はありませんし、来るたびにこのような施設をきちんと未来に残していくことの大切さを自分で実感することができます。
途中で遠目に見えた敷地の鉄条網の脇を通り抜けた時に、二重の鉄条網の間にさらに敷かれた鉄条網を見て、何とも人間が時と場合でここまで非人道的になれるのかと、何とも言えない気持ちになってしまいました。
アウシュビッツ見学の際に購入した書籍で、現在の収容所の跡地と当時の写真を同じ場所で並べて比較した写真集があったのですが、今回のマイダネク強制収容所のバラックの展示写真の一つに同様のものがありました。やはりこうして比較してみると、今の実際に訪れている場所で当時に実際にあったことが実感されて、この写真の展示物は印象に残ったものの一つでした。
前にアウシュビッツ強制収容所を見学したのは、もう3年前になっていましたが、今回違う強制収容所を訪れて改めてユダヤ人に対するホロコーストの歴史の重さというか、ポーランドが背負う大変さも感じられた気がしました。
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