技術士【衛生工学部門】合格のツボ!
6.筆記試験模擬
この「筆記模擬試験」なのですが、「合格のツボ」の中でも、繰り返し必ず実施するようにとくどい位に記述されています。その効能や意義についても、著作の方がこれでもかと述べられているのですが、お恥ずかしいことに過去の技術士試験で「筆記模擬試験」を実施したことは一度も記憶にありませんでした。実際に今回も自分で実際に「筆記模擬試験」をやるまでは、その必要性と重大さに気付かなかったのですが、今になって振り返れば、「技術ノート」の作成が勉強の取り掛かり(スタート)に欠かせないものだとすれば、この「筆記模擬試験」は勉強の仕上げ(フィニッシュ)として絶対に欠かせないものだと理解できます。俗に言う「車の両輪」で、どちらが欠けても「筆記試験合格」というゴールに「自分が運転していた車」は辿り着けなかったと思います。
この「合格のツボ」にも念押しされている「筆記模擬試験」ですが、自分が初回を実施したのは7月5日で、平成26年の技術士本番が8月3日(日)でしたから、既に1ヶ月を切っていた時期でした。当初はあまり重視していなかった「筆記模擬試験」でしたので、軽い気持ちで時間を計り実施したものの、内容以前に時間内に書けない!ということに、驚愕した記憶があります。非常に焦りましたがまだ1ヶ月ありましたので、それ以降の勉強は平日中心に1つだけでもよいので記述問題をこなすのと、休日は必ず試験本番に合わせた「筆記模擬試験」のフルメニュー(午前に択一問題、お昼を挟んで午後は7枚の記述問題)をノルマとして実施しました。
当時は海外駐在(フィリピン)ということもあり、試験前は休暇を取り日本に帰国しましたので、直前の数日間はまとまった時間を取れたという幸運もあり、最終的には下記表のとおり合計7回のフルメニューの筆記模擬試験を実施できました。ちなみに「筆記模擬試験」の場所ですが、フィリピンでは(大昔の日本もそうだったはずですが)コーヒー一杯でカフェの席を1日占拠していても何も言われませんが、日本では図書館ぐらいしか場所が思いつきませんでした。。。
模擬試験回数 | 日 時 | 場 所 | 備 考 |
第一回 | 2014年7月5日(土) | カフェ(フィリピン) | |
第二回 | 2014年7月19日(土) | カフェ(フィリピン) | |
第三回 | 2014年7月20日(日) | カフェ(フィリピン) | |
第四回 | 2014年7月26日(土) | カフェ(フィリピン) | |
第五回 | 2014年7月30日(水) | 隣町の図書館(日本) | 帰国休暇中 |
第六回 | 2014年7月31日(木) | 近所の図書館(日本) | 帰国休暇中 |
第七回 | 2014年8月2日(土) | 近所の図書館(日本) | 帰国休暇中 |
1回目のあまりに書けない惨めな結果から、不思議なことに3回、4回とこなすうちに、記述スピードがあがって最後の数回は、本番と同じ時間内で余った時間で更に他の記述問題を書き上げることが出来た記憶があります。昔に比べれは記述枚数は減ったとはいえ、これだけの記述問題のウェイトがある(24字×25行=600字×7枚=4,200字)技術士二次試験筆記なのですから、記述の訓練をしないで受けるというのは、車を一度も運転せずに自動車免許の実技試験を受けるようなもの(ベタな例えですみません。。。)と言えるのかも知れません。
この「筆記模擬試験」を自分が実施した時に、注意した点を下記に記します(「合格のツボ」にほとんど同じことが書かれています)。
・試験本番と全く同じ用具と紙で実施する
・場所は自宅以外でで実施する(フィリピンでは空港のカフェ、日本では近所の図書館でした)
・飲食も全く同じ条件とする(試験中はペットボトルのみ、お昼も同じ時間内で済ます)
試験本番と全く同じ時間配分で実施する訳ですが、慣れてくると午前中の択一問題は過去問なので時間が余ることになると思います。自分は、その時は専門問題(語彙)を実施し、とにかく試験時間内は問題を解き続けるようにしました。午後の専門問題(計画)と課題解決問題は、逆に答案用紙の構成を考えながら時間配分のトレーニングを兼ねて、本番の時間内で構成と記述が終わるようにペース配分を考えながら実施していました。早く終わることは本番でも重要なのですが、「筆記模擬試験」では、本番の試験中に集中力をキープする訓練でもあるので、試験時間内は答案を書き続ける訓練も大事だと思います。
この「筆記模擬試験」は間違いなく技術士二次試験筆記の天王山だと思いますので、これを避けることは(厳しい見方ですが)試験勉強を諦めていると言えるのかも知れません。この「筆記模擬試験」ですが、大の大人が休日を潰して何時間もひたすらカフェや図書館で缶詰で筆記する訳ですから、精神的にも物理的にも相当つらかった記憶があります。ただし、これをやったから試験当日は時間内に書き終わるかどうかの心配だけは、全く払拭することが出来ていました。
この「筆記模擬試験」の実施回数は人によるかと思いますが、自分の筆記の力を早めに自覚するためにも2,3ヶ月前には一度実施して、そこから試験本番までに何回実施するのか(実施できるのか)を計画するのがよいと思います。必ずこの苦しい「筆記模擬試験」の努力は報われると思います。
・本番と同じ時間帯と環境で実施することを意識する
ディスカッション
16件のコメントがあります
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あかとら
thosoda様
ご無沙汰しております。
衛生工学部門受験の際にお世話になりました。あかとらです。この度,総合技術監理部門に合格することができました。
ありがとうございました。
衛生工学部門の受験時から総合技術監理部門までは
必ず取得したいと考えており,ようやくたどり着くことが出来ました。数少ない,衛生工学部門の情報を提供頂き誠に感謝しております。
これからも継続研鑽を行い,社会に貢献できる技術士を目指したいと考えます。
本当にありがとうございました。 -
goodhorse
はじめまして。
数少ない衛生工学部門の貴重な情報をありがとうございます。技術士は自分とは縁の無い資格とばかり思っておりましたが、
受験を志してから幾度となくHPを拝見しておりました。
お陰様で何とかR3年度の口頭試験を受験できることになりました。久しぶりに訪問しましたら口頭試験対策以降の記事も作成頂いており
大変感激しております。
お忙しい中の作業に感謝致します。
これを励みにもうひと踏ん張り頑張りたいと思います。 -
tami
はじめまして、技術士試験の勉強をこれからはじめたいと思っているものです。デジタル技術ノートのサンプルファイルの公開はすでに取り止めてしまいましたでしょうか。可能であれば参考にしたいため、再アップロードをお願いしたいです。どうぞよろしくお願い致します。
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あかとら
thosoda様
お世話になっております。
衛生工学部門(建築物環境衛生管理)に合格することができました。
ありがとうございます。
情報が少なく合格率の低い衛生工学部門(空気調和)の
情報をご提供頂き誠にありがとうございます。
大変励みになり、勉強方法についてとても参考にさせて頂きました。
初めて本サイトを拝見した年には一発合格のツボが絶版でしたが
本年度にリニューアルされ再版されたことも幸運だったと思います。私が参考にさせて頂いた勉強方法は以下になります。
1.技術ノート作成
キーワードをピックアップし、
キーワードに対する概要、課題、解決策、リスク、将来展望をまとめる
ワードで技術ノートのソースを作成し、両面印刷、ルーズリーフで整理
1)専門科目のキーワードは
学会誌(空気調和・衛生工学会、建築設備士)
設備計画設計の実務の知識(空気調和設備、給排水衛生設備)を参考
2)空気調和・衛生工学会はⅠ問題、Ⅲ問題対策
最新技術やトラブル報告、業界の現状
3)建築設備士は竣工フラッシュの記事により
Ⅱ問題に対する、具体的な建築物計画設計を学ぶ
4)衛生工学部門全体のキーワード
社会や世界が直面するビッグワードを技術ノートにまとめる
衛生工学部門のワード
COP21、SDGs、Society5.0、ZEB、ICT,BIM、CASBEE
労働人口減少、老朽化対策、BCP などなど
2.音読とリスニング
技術ノートの内容や記述解答事例をICレコーダに録音
PCで編集、iPhoneオーディオブック変換、倍速再生
3.技術ノートの刷り込み
技術ノートを常に持ち歩き、青マジックと緑蛍光ペンで落書き
上記とリスニングによりスキマ時間を利用し、右脳にインプット
4.一人模擬筆記試験
これが天王山!
セミナーの模擬筆記試験とは別に
一人模擬筆記試験を4回実施
試験本番を想定した同じ時刻、同じ服装、同じコンビニ弁当
時間配分、骨子作成までの時間、文字を書く時間、手の疲れ具合
空腹感と満腹感等を実感
5.口頭試験
1)勉強方法
セミナーによる模擬口頭試験受講(5回)
自宅模擬口頭試験
想定問題を170問作成
技術ノート同様、ルーズリーフにまとめ、常に持ち歩く
ICレコーダ活用による業務詳細、業務経歴、想定問題のリスニング
2)試験内容
主にコンピテンシーを問う質問
(コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、継続研鑽、技術者倫理)
具体的な事例を挙げた回答が必要
業務経歴、業務詳細に関する質問はなし
記述問題に関する質問もなし
6.試験を振り返って合格のコツは
1)記述力、文章力の強化
一文一意、主語と述語を明確に、接続詞の活用
手書きの練習、丁寧な文字の練習
2)知識の強化
技術ノートにより知識を詰め込み、アウトプットできるように
3)論文の流れを意識
各設問毎でブツ切りにならないように
回答は後ろから骨子をまとめる
課題 ← 解決策 ← 新たなリスク
4)コミュニケーションを意識
試験官とのコミュニケーションである
設問を舐めるようにじっくり何度も読む
自分が書きたいこと、書けることではなく
設問者が訊きたいことを書く
分かりやすく、見やすく、論理的に
5)実戦経験が重要
一人模擬筆記試験は絶対必要
これをしないことは
車の運転経験なしで路上に出るようなもの以上 長々と失礼しました。
私の経験も少しでもこれから目指される方の参考になればと思い
記載されて頂きました。
本当にありがとうございました。
私も次は総合技術監理部門を目指して頑張ろうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。 -
かさはら
初めまして、「かさはら」と申します。衛生工学部門(建築物環境衛生管理ー空気調和)の技術士を目指して勉強方法を模索している最中の者です。
セミナーの対策書といろいろな冊子を読みながら「どう取り組みべきなの」格闘してはや2ヶ月です。
拝見させて頂きました勉強法を自分なりに取りまとめチャレンジしたと思います。 -
あかとら
初めまして、衛生工学部門(建築物環境衛生管理)の技術士を目指して勉強中の者です。
去年から拝見させて頂き勉強方法について、とても参考にさせていただいております。
おかげさまで、本年度やっと記述試験合格の通知が届きました。
大変感謝しております。
取り急ぎお礼と思いコメントさせていただきました。
12月初めの口頭試験まで時間がありませんが、
しっかり対策をとり、このチャンスをものにしたい思います。
また、追ってご報告させて頂きたいと思います。
ありがとうございました。
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令和6年度、衛生工学部門の筆記試験を通過できました。
受験を決めてからあまりの情報のなさにさまよい続けた結果、こちらのブログにたどりつきました。そこで紹介しておられた「一発合格のツボ」を読んだことで目の前の蒙さが開けました。
おかげで一直線にゴールを目指して進むことができました。ブログを続けられていること、そしてこの出会いに感謝いたします(^^)